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サクセスとは?


  このサイトはあの大人気野球ゲーム実況パワフルプロ野球(通称パワプロ)のサクセスモードの歴史を紐解いていきます。
SFC時代の『実況パワフルプロ野球3』から登場した選手育成モードで「野球」部分と同じくパワプロの看板モードである。サクセスの歴史=パワプロの歴史と言っても過言ではありません。

育成シミュレーションゲーム形式で進行し、野球の練習や試合で好成績を挙げることによって主人公の能力を上げていく(一部作品では通常練習部分を省き、主に試合を行い勝ち続けることで能力を上げるシナリオもある)。
サクセス(成功)の名前の通り基本的にはどん底の能力からのし上がっていく形となり、限られた期間内に効率よく成長させることがゲームとしての肝となっている。
しかしスカウト(プロ編では監督)から一定以上の評価を得られなかったり、再起不能の怪我になった、死亡した場合などにゲームオーバーとなり、その育成データは原則破棄されることになる。 登録できた選手は、他のモードで使用できる。

練習効率を高める手法も作品毎にさまざまなものが用意されている(『パワプロ8』で初めて実装された「友情タッグ」などが代表例)。
また、女性との恋愛を成功させることで特殊能力などのボーナスが入手できる、という要素は初期から維持され続けている。
しかしイベントなどのランダム性が強いため、絶対確実な攻略法の類は基本的に存在しない。


サクセスの基本

行動回数について

主人公の行動回数と行動単位については、初期作品では「1週間単位で3年間」ということが多かった(実際は高校編においては入学から3年夏の甲子園終了までなど2年半程度が多く、2.5年×12か月×4週がデフォであった)。近年では行動回数が1日単位であったり、行動単位が半年間であったり題材によって行動回数は異なるが、経験点の稼ぎやすさや必要な能力値が異なるため行動回数だけで育成のしやすさや選手が強くなるかどうかを述べることはできない。

リセット防止措置について

「セーブ&リセット」によるやり直し対策は厳重になされており、故意・過失を問わず「リセット」(正規のコマンドで終了しない強制終了)をすると、ペナルティ(一部作品を除く)で選手の能力を大幅に下げられてしまったり、作品によってはセーブしていても選手データが強制削除されてしまったりする。
保存にメモリーカードを使う作品でも、コピー禁止などのプロテクトがかかっている場合がある。

ただしPSP等の携帯ゲーム機でのタイトルの場合はバッテリー切れによる強制終了を考慮してペナルティが緩くなっている場合もある(例としてPSPで発売された『パワポタ4』はオートセーブ、ペナルティともになしのため、任意のタイミングでセーブしてリセット粘りなども可能である)。

能力の上げ方

本シリーズでは基本的に「練習」するだけでは「能力」が上がらず、練習終了後に入手可能な各種「経験点」を「能力アップ」コマンドにおいてプレイヤーが各能力に自由に割り振ることで主人公を成長させることができる。

ただし、パワプロ6辺りまでの初期の投手サクセスでは投手能力の「経験点」が隠しパラメータになっており、一定の経験点に達すると勝手に能力が上下する(新変化球取得は確率や乱数が絡む)システムだった(野手能力は野手サクセスと同様に自由割り振りであるが、投手能力の経験点を稼ぐ練習がほとんどのため野手能力を高くするのは難しい)。そのため練習後に能力が上がらないと「○○が上がった(下がった)ような気がした」などの曖昧なメッセージが出た。

また、初期作品の野手サクセスでは育成開始時に「1番タイプ」、「4番タイプ」などのオートで能力アップする方法を選択できた。これはCPUが手持ち経験点からタイプに合わせた思考ルーチンで自動的に能力アップをしてくれるモードで、タイプよって初期能力や能力アップに必要な経験点の補正があった(「一番タイプ」はミート、走力が上がりやすいなど。現在のような自由割り振りは「マニュアル」となっていた)。

サクセスにおける「野球・対戦モード」

サクセス中の試合、および「実技練習」あるいはライバルキャラとの勝負イベントにおいてプレイ出来る。

試合に際しては、最初から最後まで全ての操作を行うのは例外的であり、基本的に打者の場合は自分の打席のみを操作し、投手の場合は相手にランナーが出た場合のみ操作することになる。

主人公が野手の場合、どれだけ打っても味方投手や守備のせいで負けることもある。
主人公が投手の場合、守備操作はCPUのオートのため、CPUレベル(たいていはシナリオによって固定されている)によって打ち取りやすさは異なる。
またランナーなしでのホームラン、スタミナ切れによる交代など、プレイヤーが全く操作せずに負ける、もしくは勝つということもある。

このようにいくらプレイヤーの腕があっても、ランダム要素で負けるということも往々にしてある。
ただしキャプテンになるなどの条件を満たした場合、7回あるいは8回以降の全ての操作を行えるようになるため、プレイヤーの腕による挽回も可能である。

体調管理とケガの要素(体力・故障率・○○爆弾・ケガ)

この要素は『パワプロ3』から登場した。練習時には体力を消費するが、体力の低さに応じて練習時の故障率が上昇し、ケガをしたり、運が悪いと入院を要する大怪我に見舞われることすらある(この時、ケガの度合いに応じて能力が大きく低下する)。

そのため、連続で練習コマンドを選び続けることは出来ず、体力回復コマンドを適宜選択して体調管理を行わねばならない。
『パワプロ3』から『パワプロ8』では体力のほかに『タフ度』というパラメータがあり、同じ体力でもタフ度が高いと故障率が下がる。

また、『パワプロ4』から登場する「肩爆弾」「肘爆弾」、および『パワプロ9』からの「足爆弾」はいわゆるバッドステータスであり、これを取得しその後「爆発」した場合、即座に選手生命が絶たれてゲームオーバーになる。

『パワプロ9』以降は確率次第でゲームを続行できるようになったが、それでも能力の大幅な低下は避けられない。
最大の難点は発生率および「爆発」率が一切プレイヤーに表示されないことであり、その予測不可能性も相まって、ゲームの難易度やランダム度を上げる要素となっているが、市販されている攻略本には発生率および爆発率が記載されているため、ある程度の把握は可能。
従来はダイジョーブ博士の手術で除去することが主な回避手段であった。
近年では「爆発」を回避する手段も複数用意されるようになっている。

なお、この他に大怪我と入院に見舞われるイベントとしてはプレイヤーにとっては悪夢と言う他ない「交通事故」も用意されており、その致命的な効果と完全な予測不可能性はいささか理不尽な形で攻略を困難なものにしていた。

やる気

『パワプロ3』から登場。「野球・対戦モード」における各選手の「調子」と同様であり、絶好調・好調・普通・不調・絶不調の五段階。サクセス中の試合においても主人公の能力をそれに応じて一時的に変化させる。

また、練習における経験点の取得にも影響し、調子が良ければ良いほど多くの経験点が得られる。
この「やる気」はランダムも含めたイベントの多くによって頻繁に上下する。
プレイヤーが意識的に上げる手段としては「遊ぶ」「デート」コマンドや「アロマグッズ」といったアイテムがある。

ただしコマンドによる調整には練習一回分の時間単位(作品によって異なる。一日あるいは一週間)を要する上に体力の回復も兼ねていることが多いため、どのタイミングで調子を上げるか、という所も育成において重要なポイントとなる。

所持金

『パワプロ6』で初めて登場。当初は部費や家賃や年金の支払いのためにアルバイトが必要になるなど、むしろ練習を妨げる要素として導入された。

しかし後には体力回復や能力アップなど、さまざまな効果を持つアイテムが買えるようになり、デートや遊興系イベントではお金を払えばプラス効果が出やすくなったこともあり、お金稼ぎと練習とのバランスをとることで育成の幅を広げることが可能になった。

彼女システム

初代『パワプロ3』から登場。彼女に「電話」することで「やる気」や「体力」を回復することができる。
初期の頃は、外見こそ違うものの台詞は共用で女性一人一人に性格的な個性付けはされておらず、育成的にも物語的にもおまけ程度の要素だった。

大きく進化を遂げたのは『パワプロ5』。彼女候補全員に個性が設定され、彼女らの評価に応じて折々のプレゼントの質が変化、それにより有効な特殊能力も習得可能になるなど、育成において非常に重要な存在となった。

以降は概ね一つの組織に一人、多くは野球部のマネージャーとして一作品に3〜4人ずつ登場している。
なお、『パワプロ』の彼女候補キャラは『パワポケ』と違って続編に登場・関与することは少なく、例外は数人程度。「第一世代」の「パワフル高校野球部マネージャー」(『パワプロ5』『パワプロ9』『パワプロ2011』)がそれぞれ全くの別人であるように、『パワプロ2012』を除けば彼女候補が再登場すること自体がなかった。

また、女性を「彼女」にする過程では『パワポケ』のように複雑なフラグ管理をこなす必要がないし、いわゆる「彼女ルート」のような連続イベントが起きることもない。その意味ではあくまで選手育成の一要素という枠を越えてはいない。

継承選手

『パワプロ9』からの導入。サクセスモードで作成された選手が、次回以降のプレイ時にチームメイトとして登場するシステム。
単純な戦力強化につながることに加え、好感度を高めることでイベントキャラと同じように「友情タッグ」が行えたり、彼らが持つ特殊能力をランダムで取得できたり、といったメリットがある。

なお、そもそもの目的は難易度の緩和であるため、試合で活躍できずプロ入り出来なかった選手や途中で育成を諦めた選手もシステムデータ上に保存され登場する。